病気や怪我の診療および医学の研究などに従事する医師として働くには、国家資格である医師免許が必要です。医師免許を取得するには、高校卒業後大学の医学部や医科大学に入学し、6年かけて医師として働くために必要な知識や技術を身につける必要があります。6年制の課程を卒業・あるいは卒業見込みがあると判断されれば、医師国家試験を受験することができます。ただし、医師国家試験に合格しただけでは、まだ医師として働くことはできません。医師免許取得後、研修医として2年以上の研修経験を積んだのち、ようやく医師としての道を歩むことができます。内科や眼科などの専門医として働きたい場合は、さらに最低5年の実地研修を行い、専門医試験に合格しなければなりません。
医師には、大きく分けて臨床医と研究医がいます。
臨床医の主な仕事は、患者と直に向き合い病気や怪我の診療および治療を行うことです。仕事の流れとして、まずは病院に来院された患者さんを診察。患者さんから症状を聞き、不調の原因を突き止めるために心音を聞いたり触診をしたりします。病気や怪我が特定できれば、看護師や薬剤師などの医療スタッフに必要な処置を指示します。対応できない症状の場合、他の病院に紹介状を出すこともあります。総合的な判断力が求められるため、1つの診療科に特化しているだけでなく、幅広い分野の知識が必要です。
研究医は、臨床医のように患者さんの診察は行いません。研究設備のある大学病院や製薬会社などで、基礎医学や臨床医学の研究に携わっています。さまざまな実験を重ね、また治療法が確立されていない病気や感染症などを治す方法を見つけるのが主な役割です。裏方的存在として、最先端の医療を追求したい人に向いています。なお、臨床医として経験を積んだ後、さらなる医学の進歩のため研究医になる医師もいるようです。
医師は、たくさんの命と向き合わなければなりません。思うような結果が出なかったり患者さんが亡くなったりした際、虚無感や悲しみに打ちひしがれることも多いです。しかし、懸命な治療によって患者さんを救うことができた時、何ものにも代えがたい喜びを味わうことができます。また患者さんやその家族の「ありがとうございます」の言葉も、働く上で大きな原動力になります。
その専門性に見合った高収入を獲得できるのも、医師として働く魅力の1つです。大変なことも多いですが活躍に見合った報酬が得られるため、モチベーションを維持しながら働くことができます。資金を溜めて経営などの知識を養えば、開業医として独立することも可能です。
2019.09.12