病気や怪我で苦しむ患者に適切な医療処置を行う医師には、専門知識と技術が求められるだけでなく、大きな責任も伴うため、国家資格である医師免許の取得が義務付けられています。しかも、医師免許を取得した後も一定期間の臨床経験を積まなければ、一人前の医師として働くことはできません。
これらのことは、国の法律で厳しく定められており、医師を目指す場合は、医師免許がなければ見習い医師として下積みをすることさえままならないのです。
医師免許を取得するためには、毎年2月に行われている医師国家試験を受験し、それに合格しなければなりません。試験の内容は、基礎医学・臨床医学・社会医学など、医学関連の科目全般が出題範囲になっており、合格率は例年90%前後であるといわれています。そのため、大学で真面目に授業を受け、早いうちから試験対策をしておけば、一発合格も夢ではないでしょう。なお、万が一不合格になった場合は、翌年再度受験することも可能です。
医師を目指す人にとって、医師免許の取得は大きなターニングポイントになります。しかし、胸を張って医師として働くためには、免許を取得した後も2年以上の臨床経験を積まなければなりません。医学部生の多くは、大学の病院や関連機関へ就職する傾向にあるので、そこで先輩医師に指導を受けながら研修医として働き、経験値を上げていきます。
そして、研修医時代を経て、周囲からも認められるようになってはじめて専門分野を選択し、病院の医局に入ったり、開業したりして、医療現場で医師として活躍できるのです。
2019.09.12